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2015年11月13日
無理な仕事
何業でも、少々無理な仕事をやらなければ
ならないことはあるでしょう。納期が厳しい、
コストが厳しい、仕様を満たすのが厳しい・・・。
でもそれらを乗り越えることで、一歩づつレベ
ルがあがっていくものです。
しかし本当に無理なものもあります。その人、
会社の持っている能力で、どんなに工夫して
も出来ない、もしくは出来そうにない。
仕事には必ずお客様がいます。プロの仕事
は、取り返しのつかないミスをしてはなりませ
ん。お客様がミスした仕事を受け取る訳には
いかないからです。
当社なら木造住宅建築である限り、ベストの
提案に全力を尽くします。しかし過去には当
社の力不足でお断りした仕事も多数あります。
3ヶ月で造れ、30坪1000万で造れ、等々。
どんなに仕事が欲しい時でも、無理なものを
受けてはなりません。無理なものを受けたら、
現場の職人さん達にも無理を強いることにな
ります。現場で無理が可能にはなりませんか
ら、どこかで不適格工事が発生することにな
ります(ウチの職人さん達は無理な仕事を引
き受ける人など皆無ですが・・・)。
今回、マンションの杭打ちで多々の偽装が表
面化したのも、そもそも発注者側に、無理を
承知でやらせる姿勢があったのではと思いま
す。天候が悪ければその分工期は延びます。
最初から予備日を設けていればその中でや
りくりできますが、ギリギリの工程ではどこか
で無理をして取り返さなければなりません。
昔、工期3ヶ月の仕事を断ったとき、その工
事を引き受けた工務店があります。どんな
現場手配をしたのかは知りません。しかし、
こんな理由で無理な工事があちこちで発生
するんだな、とやりきれない気持ちを持った
ものです。
家造りには人生観が現れます。勿論、我々
造り手にも人生観が現れます。日々真面目
に生き、仕事をし続けていきたいと思います。
投稿者 tamagawa : 2015年11月13日 22:26