2012年03月01日
古本
ネットオークションで古本を購入。徳富蘆花の「みみずのたはごと」。
なんと出版が大正4年。当時の印刷はそれなりだが表紙もきれいな状態。
この本、実は父の愛読書で、手持ちがボロボロになったとのことで、ハード
カバーの本を探していたが、見つけることができなかったらしい。
古本屋を歩いて探すなら本当に大変だが、ネットで全国から探せる今日の
便利さを痛感しますね。
ちょうど、単行本で同誌を私も読んでいるところ。
今の京王線「蘆花公園駅」近くに移住し、当時はまだまだ田舎だったこの
地で農民的暮らしを始めた本人の日常雑事を、武蔵野の自然と共に描いた
私的小説。現代では取り上げられることが極めて少ない作家ですが、文章
の品格の高さは特筆すべきものがあり、忘れ去られてしまうのは、あまりに
惜しいことです。
私も父の愛読書出なければ、読むことはなかったかと思いますが、読み出
すとその味わい深さに、引きずりこまれました。そして日本語の素晴らしさ
が肌身に染み入ります。
投稿者 tamagawa : 2012年03月01日 22:31