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2008年09月22日

冤罪

冤罪(えんざい)は現代法社会の中の最大の悲劇と思う。

以前、アジアのどこかの国(シンガポールだったか?)で、恐らく冤罪で
終身刑などの重罪になった日本人を取材していたのを、テレビで見たこ
とがある。

麻薬の所持で死刑の国もあり(シンガポール)、それくらい厳しい法律を
制定するのも理解できなくはない。しかし、もし恨みを持つ人に知らぬ間
にカバンなどに麻薬を忍び込まされ、警察に通報されたらどうなる? 
「あなた、麻薬を所持してますね。死刑です」。 
はたして弁解の余地はあるのだろうか。

それこそ中国や、まして北朝鮮などは「疑わしきは罰する」国だから冤罪
だらけだろう。その人の人生「不運でしたね」で終わり。まだ日本などの人
権が確立された先進国では、「疑わしいだけでは罰せず(証拠が必要)」
のスタンスだから冤罪は極めて少ないと思うのだが、最も身近かつ誰でも
容疑者になりうるものに「痴漢」がある。

基本的に、被害者が「あの人痴漢です」と言えば、犯罪が成立するので、
見に覚えがなくても、シロを証明することが困難だ。
電車の中など「危ない」場所では、両手を上に上げるなど自衛策が必要
とも言われる所以だ。それでも被害者役と目撃者役がグルになり「痴漢」
を演出されたら、逃れようがない気がする。

私ならどう対処するだろうか?断っておくが万が一出来心で本当にやって
しまったら正直に白状することに何のためらいもない。どんな人間にも過ち
はあると言うことを自覚しているし、ましてや自分だって完璧な人間なんか
じゃない。そして犯した罪を隠したまま生きられる性格ではない。

しかし、やっていないのに、「やった」といわれたらどうする?「とことん話し
会おうじゃないか。出るとこ出たろうか。」と思うが、争うには膨大な時間と
精神力が必要な上、殆ど「シロ」を証明できないらしい。

モノの本には駅の警備員室に行って本当のことを話せば判ってもらえるな
んて意気込んではいけないと書いてあるらしい。行った時点で話は全く聞
いてもらえず警察に通報されてハイ終わり。だから「ともかく行かずに逃げ
ろ」と書いてあるそうな。

な、な、なんと。 そこまでしなくては身を守れないのか? これって法体系
がおかしくないか?

シロなら普通、逃げ出す道は選ばないだろう。訴えても「シロ」を認めてもらえ
ず結局は「やった」と言うことにして、2,3日の拘留を経た後、釈放となる道
を選ばざるを得ないらしい。一部の人は、「無実」を裁判で戦っているが、殆ど
が職を失っている。家族も大変な思いを強いられる。

確かに痴漢の多くは「クロ」なのだろうが、だからこそ片方の言い分のみで犯
罪が成立するのもどうなんだろうか?そうすると冤罪は勿論、グルで痴漢の
被害者と目撃者を装い、犯罪者に仕立てられた人を恐喝することもたやすい。

ところで痴漢の常習犯を捕まえるには現行犯逮捕が必要だそうだ。鉄道警察
が何人もで見張り、犯行現場を押さえるのは、並大抵のことではない。

んー、ちょっと納得いかないのは、私だけだろうか?

ともかく、男性諸君は電車の中、気をつけましょうぜぃ。

「李下に冠を正さず」ですね。

投稿者 tamagawa : 2008年09月22日 19:24