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2008年03月29日

スタンダード曲

車中でCDを聞いていたとき、ふと思ったことを書き連ねてみました。ちょっと専門的
な内容もありますが、音楽好きな人はお読み下さいまし。


何十年と受け継がれていく曲を「スタンダードナンバー」なんて言ったりもします。

個性的で優美なメロディ、普遍的な歌詞、魅力的な歌唱と演奏、そしてその時代を
反映し多くの支持を集めたもの。分析すればいろいろな要素があるのだろうが、私
の中でスタンダードナンバーとして成り立つための条件が、もうひとつある。

勿論その楽曲自体が好きなことが大前提なのだが、そのアレンジ(編曲ってやつで
すね)によって長く聴き続ける曲(聞き続けるに耐えられる曲)が選別されてしまう。

①イントロを聴いて引き込まれていくもの
②楽器が魅力的な活躍をしているもの。
③過不足ないアレンジ・演奏。

①の代表例としては、山下達郎の「クリスマス・イブ」。
  遠くから聴こえてくるようなギターの旋律が8小節続いたあとで、ベースとドラム
  が入った途端に幕が開いたようにきらびやかになる。この手法は、後の「ポケット
  ・ミュージック」などでも使われており彼のお得意パターンか。
②の例としては、例えばブラス(金管楽器)なら「君の瞳に恋してる」のサビ”I love
   you, Baby”の直前の「チャーラ・チャーラ・チャーラチャッ・チャッ・チャッ(←こんな
  んで判るか!)とか、イン・ザ・ムードの「ドーミド↑ドミード↑ドーミド↑ドミード↑
  ・パッパー」のパッパーの部分(ますます判るか!)などは、極めて単純だが、ラ
  ッパが吹けたら一度は演奏したいフレーズだし、聴いていても麻薬のように酔っ
  てしまうフレーズ。不思議なものだ。
 
  反対に楽器の使い方が嫌で聴きたくない名曲の例では岡本真夜の「トゥモロー」
  がある。 サビの部分のドラムのオンビート(頭打ち)で曲勢が一気に衰退、アレ
  ンジ失敗と思う。

③実はこれが一番微妙で難しい。工夫の無いアレンジは退屈だが懲りすぎは耳障り
  でしかない。昔楽器を始めた頃は、少しでも難しいことをして音数を増やすのが凄
  いとか、歌なら少しでも高い音域が出るほうがエライとか錯覚していたこともあった
  が、今ではもっと本質が重要なのだと気付いた。
  
  イーグルスの「Hell Freezs Over」は愛聴版のひとつだが、全てのアレンジに
  過不足が無く(全ての音に必然性がある)演奏にも余裕があり、流石に大人の魅
  力にあふれている。リーダーのグレン・フライは「Take It Easy」を世の中に出し
  た後に「このアレンジは完璧。不自然なコード(和音)はひとつだってありゃしない」
  と語ったが実はG C D Em Amの5つしかコードがなくアレンジもいたってシン
  プルだ。これで完璧とは、それ以外の選択肢がないということだろう。そしてこうも
  言っている。「曲を作る過程で苦労しても聞き手にそれを感じさせてはならない」。
  
  ビリージョエルの「ピアノマン」。その名の通りピアノの弾き語りを中心としたアレン
  ジでメロディーもオクターブ上がったり下がったりとこれまた単純だが、それが何に
  も変えがたい魅力を持っている。難しいことは何もしていないが、ピアノを好きで
  知り尽くししている彼のアレンジに魅力を感じずにはいられない。又ビリージョエル
  と言えば初期のインスト曲「ルート・ビア・ラグ」も傑作のひとつ。興味のある方は是
  非ご一聴を。

   ・・・とりとめがつかなくなってきたので今日はこの辺で。音楽談義はまた・・。

投稿者 tamagawa : 2008年03月29日 23:41