2008年01月19日
200年住宅
昨年政府が出したこれからの住宅政策。
稼いでも稼いでも、日本人が真に豊かになれない理由のひとつが
30年足らずで解体される住宅であったことは間違いない。
確かに欧州のように親代々200年もたつ建物に住み続けるのと比較
すると、住宅にかける費用がぜんぜん違う。その意味で永くもつ建物
を造るのは豊かな社会の実現に必要なことだ。
ただ、当社で現在建てているような建物(構造を重視したもの)なら、
ちゃんと維持管理さえすれば50年、100年ともたせることは難しくない。
200年住宅と言う表現は、少々大げさな気もするが、ともかく一番大事な
のは「構造面の耐久性がある」ということと、「必要なメンテナンスをする」
ということ。かつての日本の住宅は、基本構造がやわで、そもそも長くもつ
はずもない建物だった。また日本人は総じてメンテナンスに無関心で、中
古住宅の価値が0以下(時にはマイナス)になってしまうのも、必要なメン
テナンスが全くなされていないからなのだ。新築同様快適に住むには莫
大なリフォーム費用が必要となってしまうのである。(そもそも回復不可能
な建物も多いが)。
200年住宅の実現には、構造面で耐久性があり、かつメンテナンスしやす
い住宅建設(我々建築業者の責任)と、必要なメンテナンスの実行(住み手
の責任)が欠かせない。
そしてもうひとつ(これが一番難しい問題)、その家の建っている環境が200
年後も住宅地としてちゃんと価値があるかどうか。自分の家1件だけが立派に
建っていても、周囲が廃墟だらけじゃ、住むに耐えないだろうし。大体今の日本
で200年後の都市を予想することは非常に難しい。なんせ、都市計画自体が
いい加減(というか無計画)だったからな。
ここまで書いて、自分でもどうした良いのか判らなくなってきた。
再考いたします・・・・。
投稿者 tamagawa : 2008年01月19日 19:10